天然うなぎは高級で絶品と称されることが多く、特に大きな個体はめすが多いと言われています。そのため、美味しさの秘密はめすにあるとも考えられています。「三河一色めすうなぎ」は、その名の通り「めす」のみを使用。通常のうなぎと比べて「大きく育っても身が硬くなりにくい」という特長があり、「柔らかな食感」や「うま味の強さ」においても違いが際立ちます。実際に、85%の人が「めす」の方が美味しいと評価しました。
相互啓発によりさらに美味しく大きく進化していくことでしょう。
鰻の性別は生まれつき決まっているわけではなく、成長する環境によっておすかめすかが分かれます。養殖ではほとんどがおすになるため、これまでめすを安定的に育てることはできませんでした。そこで、多くの人が美味しいと感じるめすうなぎを育てるためにエサを改良。特許を取得した大豆イソフラボン入りのエサを用い、与えるタイミングや量を細かく調整することで、高い確率でめすうなぎを育成する技術を確立しました。
私は養鰻場で日々、何千何万ものうなぎを育てています。昨年から大豆イソフラボンを使い始めましたが、従来の方法と比べて特に違いを実感するのが、エサの摂取量と病気への強さです。うなぎは夏によくエサを食べ、冬は冬眠する習性がありますが、このエサを与えることで冬場でも食欲が落ちにくく、成長が早いと感じます。生産者にとって、これは非常に大きな利点です。
私は養鰻場にて日々、何千何万といううなぎと向き合っています。昨年になり、大豆イソフラボンを利用するようになったのですが、従来との大きな違いとして感じるのは、エサを食べる量と、病気のなりにくさです。うなぎは夏にエサをよく食べ、冬になると冬眠するという習性を持っているのですが、冬場でも安定してうなぎがエサを食べてくれるため成長が速いと感じています。これは生産者として大きなメリットです。
15年以上にわたり、うなぎ料理店で焼き場を担当してきました。この技術を取り入れたうなぎは、ふっくら柔らかく仕上がり、脂ののりも抜群。焼くことで表面はパリッと香ばしくなります。うなぎは夏のイメージが強いですが、これなら冬でも自信を持って提供できます。迫力のある大きさに加え、独特の匂いも抑えられているため、うなぎ好きはもちろん、匂いが気になる方にも喜ばれるはずです。
愛知県西尾市の一色町は、西三河南部に位置し、三河湾に面した自然豊かな地域です。矢作川の清流と温暖な気候、肥沃な土地に恵まれ、多様な魚介が水揚げされる一色漁港では、全国への卸売りだけでなく、多くの人が鮮魚を求めて訪れます。この地では、矢作川水系の表流水を活用し、極めて自然に近い環境でうなぎを養殖。明治27年(1894年)に始まり、地元で獲れる生き物をエサに加え、養蚕業の副産物であるサナギを利用したことが成功の要因とされています。その後も技術革新やエサの改良を重ね、日本有数のうなぎ産地として発展してきました。一色産うなぎは、身も皮も柔らかく、味のバランスが良いと評されます。焼き上げる際の「火入れ」がしやすく、表面はカリッと香ばしく、中はふんわりとした食感に仕上がるため、全国の料理店で高く評価されています。また、「新仔うなぎ」の名産地として全国的なブランドを確立。さらに、「三河一色めすうなぎ研究会」では、伝統の「新仔うなぎ」に続く新たなブランドとして、「めすうなぎ」の確立を目指しています。
「三河一色めすうなぎ研究会」は、生研支援センター「イノベーション創出強化研究推進事業」(JPJ007097)の支援を受けて行った「大型雌ウナギによる新規市場開拓コンソーシアム」の実証メンバーが、その後のさらなる推進を目的に結成した組織です。
メスのニホンウナギジャポニカ種の研究の背景には、稚魚であるシラスウナギの国内採捕量の危機的な落ち込みがありました。1963年には232トンあったものの、1980年代から低水準が続き、2023年はなんと40分の1未満の5.6トンにまで落ち込んでいます。
環境省は、2013年にニホンウナギジャポニカ種を絶滅危惧IB類としてレッドリストに掲載。 これは、近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種であるという公式な見解です。
「このままではうなぎがとんでもなく高騰してしまう、それどころかめったに食べられない希少なものになってしまう」そんな危機感が業界内を覆っていました。